それからの三国志 – 歴史マンガ

内田 重久 原作の累計20万部を越える大ヒットを記録した小説をマンガ化した『それからの三国志』は孔明没後の三国時代に焦点を当てています。

マンガ版『それからの三国志』も小説版と同様に「上・烈風の巻」「下・陽炎の巻」の2巻で構成されていて、三国志の終焉までが、しっかりと描かれています。

それからの三国志 – 孔明の没後から普の中国統一まで

三国志の天才軍師であり最大の英雄である孔明の没後の話は、そこまで知られていないわけではありませんが、『それからの三国志』では蜀は姜維(きょうい)が中心に描かれています。

三国志好きはもちろん知っていますが、一般的な知識しか持っていない人には、姜維はあまり馴染みがないと思います。

上・烈風の巻

数々の英雄たちに彩られた三国志は西暦234年「五丈原の戦い」で天才軍師である孔明が没したことにより終焉します。

「上・烈風の巻」では、孔明のライバルであった魏の司馬懿仲達が徐々に権力を掌握してゆく、その後の蜀魏呉の覇権争いが描かれています。

仲達のボケ老人演技をして、曹爽が洛陽を留守にした際の魏へのクーデターも「上・烈風の巻」でしっかりと描かれています。
それからの三国志 上・烈風の巻

下・陽炎の巻

蜀没後、司馬炎が国号を「普」と改めて初代普帝に付き、280年に呉を滅ぼして中国統一するところまでを「下・陽炎の巻」では描かれ、100年に渡った激動の時代に幕が下ります。

戦いは蜀の姜維、魏の鄧艾、鍾会が中心となり描かれていますが「上・烈風の巻」同様に「下・陽炎の巻」でも呉はほとんど描かれていません。

『それからの三国志 上・下』で中心的に描かれている姜維ですが、優れた武将ではあり頭も良いのですが、神格化されている孔明と比較すると状況判断であったり、人物的魅力にもかなり劣ります。

孔明の後を引き継いだ北伐も、バカ殿として語られることの多い劉禅(りゅうぜん)も、当然のように足を引っぱり、結局は蜀を疲弊させただけの結果です。
それからの三国志 下・陽炎の巻

確かに『それからの三国志』に登場する人物は、スター性には欠けていますが、たくさんのドラマがあります。

呉が滅びて三国時代は終焉しますが『それからの三国志』を読むと、さらに語られることの少ない「普」の時代にも興味を持つ方も多いのではないかと思います。

天下統一後、司馬炎は政治への興味がなくなり皇族同士の内乱「八王の乱」を招きます。普の時代は隋が統一するまでの約300年の動乱の時代です。